寿司ペロで、スシローが築いた資産が崩壊?
岐阜県の高校生が各テーブルに置かれている共用のスペースの醤油さしを舐めている動画が拡散、大炎上しています。類似犯も続々出てきています。
こちらの記事では
・このような迷惑行為はなぜあとを絶たないのか
・予防策はあるのか
の二点について説明していきます。
おでんツンツン・豊嶋さんに聞く、なぜこのような迷惑行為はあとを絶たないのか?
なぜこのような迷惑行為はなぜあとを絶たないのか。
寿司ペロ動画を見た多くの人は思うでしょう。「損害賠償されるかもしれないのになんて馬鹿な事を」。「迂闊すぎやしないか」と。
さてここで、迂闊界の懐かしの先輩の記事を紹介します。週刊文春オンラインによる、豊嶋悠輔さんインタビュー記事です。豊嶋さんとは、2016年に「おでんツンツン男」として日本を沸かせた人です。
おでんツンツン男豊嶋氏インタビュー
豊嶋さんがおでんをツンツンして7年経ちましたが、2023年の今、10代以上で「おでんツンツン男」知らない人はいないと思います。全国ニュースになってましたね。
おでんツンツンが2016年末、そして今回の寿司ペロ事変が2023年。寿司ペロの男子高生は15~18歳であるはずなので、7年前のおでツン事件を、寿司ペロ少年は小学校のときにおそらくテレビ報道されたのを見たはずなんですよ。大ニュースになってましたから。
私情報モラルの教育で小中学校によくいきますが、おでつんの数年間は小学校いったときに
私「みんな、おでんツンツン男知ってるーー?」
小学生たち「知ってるぅーーーー!!」ってエキサイトしてましたからね。
寿司ペロ高校生がおでツンを知らないとは考えにくい。「こんなことをしたらどうなるかまったくわかっていなかった、知らなかった」ではないはずです。
知らなかったわけではないのに、なぜそんな迂闊なことをしてしまったのか。先ほど紹介した豊嶋さんの記事から、豊嶋さんの言葉を引用します。※なお豊嶋さんもこういった迷惑行為のパイオニアというわけでもなく、豊嶋さんがおでんをつんつんする3年前の2013年にコンビニのアイスケースに入って寝そべる「アイスケース事変」が世間を揺るがしていました。
戻って、豊嶋さんの発言です。
「今はなんて幼稚な考えなんだろうって思うんですけど、当時は「面白いこと」と「人に迷惑をかけること」の線引きができていなかったんです」
事件当時、豊嶋さんは28歳で「若気の至り」というには若干厳しい年齢です。豊嶋さんはウケ狙いが大好きだったようで、それで先生に叱られても全然懲りない、という少年期を過ごしていたようです。いますね、こういう男子。
こういった迷惑行為による炎上加害者の動機を見ると豊嶋さん同様「面白いと思って、ウケると思って」投稿し、そしてほぼ「こんな大ごとになるなんて思わなかった」となるのが、テンプレでもあるのだろうかというくらい多いです。(例外もあるけど基本はこれ)
なぜこのような迷惑行為はあとを絶たないのか?①本人的にはウケ狙いだった
ということで、迷惑行為投稿のパイオニアであるおでツン・豊嶋さんが動機を語ってくれていますが、「面白いと思って」であり、ウケ狙いなわけです。アイスケースに入った人も、寿司ペロも、皆そうです。
こういった「不快系ジョーク」、正直、規模の小さいものは珍しくなく、わりとネットでよく見ると思います。
今回の寿司ペロの炎上のもらい火で、公開から数か月たって燃えた別の不快系ジョークを紹介します。
①おばあちゃんがワンオペでやっている飲食店をYouTuberの「夕闇に誘いし漆黒の天使達」(ヒカキンが顧問を務めるYouTuber事務所のUUUM所属、FMヨコハマでレギュラー番組あり、チャンネル登録者数60万人、以下夕闇)がたずねる
②全員が違う注文をし、おばあちゃんから「時間がかかるけどいいか」と尋ねられ、夕闇、OKと回答。
③食後、車に戻り時間がかかり過ぎたことをディスり、それを動画にする
詳しくはこちらから↓
おばあちゃんを面と向かって直接ディスったわけではないので、寿司ペロよりは反社度は低いですけど、寿司ペロとジャンル的には同じ「不快系ジョーク」でしょう。
一方、素人である寿司ペロDKと違い、夕闇はUUUMにも所属しているプロのYouTuberです。チャンネル登録者数を60万人までのばした実績があります(私のチャンネルの1万倍以上なので私のYouTubeも登録して欲しい)。
おそらく夕闇の人たちは「おもしぇーww」とこのジョークが、純粋に笑いとしてヒットする人以外にも、むしろそれよりも多い「不快系ジョークという炎上商法にまんまと釣られ、眉をひそめるためにこの動画見て、SNSでお気持ちを表明したり、コメント欄にご意見表明するご苦労な方々」もアクセス数として見込んでいたのだと思います。
確信犯でしょう。今のネット社会を知っています。
今アクセス数稼ぎのために、寿司ペロまではいかないけれど(これは失うものが大きすぎます)、夕闇くらいの不快なジョークを「あえて」狙う人は別に夕闇に限らずほかにもいますよね。「いいね数、再生数のためなら多少の物議はやむなし」という考え方は加速している感はあるかもしれません。なお、夕闇のレギュラーだったFMYOKOHAMAのラジオ番組はこれで終了になってしまったとのこと。やっちまったな。
なぜこのような迷惑行為はあとを絶たないのか?②坊やだからさ…
なぜ寿司ペロというどう考えても一発レッドの行為をしてしまうかについて、「ウケ狙い」をあげましたが、ほか、当然年齢もあるでしょう。
このようなことをしてしまうのは「坊やだからさ…」なわけです。
「正しくビビれるのは大人の能力」みたいなことを岡田斗司夫氏が言ってました。たいていのバイトテロ、寿司ペロ系迷惑行為をするのは10代の学生です(おでツン時にすでにアラサーだった豊嶋さんはその点レジェンドともいえます)。
寿司ペロ少年は家にテレビがない、とかでなければおでツン、豊嶋さんの事象を絶対に小学校高年くらいで見ていたはずです。テレビでさんざんこういうことをしたらどうなるかニュースでやっていて、それをどこかで見たことがあるはずなのに、そこで、こんなことしちゃまずいなと「正しくビビれない」のが問題なわけです。
ちょっと脱線 今の若者が問題があるのではない
ちょっとそれますが寿司ペロにおいて避けたいのは「最近の若者はなっとらん」に行くことです。
こんなこと言ってもなんともなりませんし、また、昔の若者が品行方正だったかといえばそんなことはなく、昔の若者もヤバイことはしていましたし、かくいう私自身もまったくもって非ヤンチャ層で、寿司ペロなんてしませんでしたけど、しかし若かりし頃の私は、ここには決して書けないことを、さらに言えば数発はかましました。
寿司ペロはしない人がほとんどでしょうが、かといって、「親にも学校にも友達にも社会にも何一つ迷惑や煩わしい思いをさせず自分は大人になった!」と胸を張れる人がいたら「自分に都合の悪いことは見事に忘れる人なんだな……」以外の感想がありません。
昔の若者だっていろいろやらかしてましたが、スマホという①拡散手段②記録機能でもある媒体(隠し撮りもできる!)がなかったために、事なきを得にいたに過ぎないでしょう。
今の若者にしてみれば、「スマホがないなかで生きるなんて想像できない、かつての若者、退屈だろうな、かわいそう……」でしょうけど、かつての若者の一人として、私はスマホがない時代に若者時代を過ごせてよかったなと思ってますし、そう思っている大人は私だけじゃなく結構いると思います。
後先考えない人と外食産業を守るための施策①そんな人とつるまない
寿司ペロがなぜそんなことをするのかについてふれてきましたが、次はそんな人たちからいかに外食産業を守って行くか考えていきましょう。
何度も言ってますが寿司ペロ男子高生は、幼少期におそらくテレビで、おでツン事変を見ていたはずです。おでツンをしたらどんなことになるかテレビも伝えていたはずですが、寿司ペロ男子高生は寿司ペロしてしまったわけです。「テレビ報道での促し」は、本来一番効いてほしい「そういうことをしかねない層」には今一つ効きが悪いようです。
こういうことをしそうな本丸は残念ながらなかなか攻略は難しそうですが、被害の総数を減らす意味として、「こういうことをしそうな人とはつるまない」というのはアリなのではないかと思います。
ここで、「ほらぁ、例えば、こういう事をしそうな人って、こういう人たちですよ。〇〇とか」と、具体的に書くとそれこそ大炎上しそうですし、かつ、その〇〇に仮に該当する人たちとて、ほとんどは「迷惑行為の投稿」なんてことはしないため、同じ色眼鏡で判断しすぎるのは失礼すぎるので具体的な例示は控えたいと思います。
「こういう人たちですよ。○○とか」の悪い例として、「寿司ペロと「同じ学校学校」の生徒たち」をくくるのは、実際ネットでよく見ますが非常に雑かつ侮辱的なくくりです。
しかしこの雑なくくりは結構幅をきかせており、寿司ペロの場合、彼が通っている高校が「○○高はクソ」「あの学校ならやりかねない」みたいにグーグルマップのコメント欄で書かれたり、ウィキペディアでその高校を「幼稚園」に改称されたりなど、惨状を呈したようですが、この件において寿司ペロと同じ学校の他の生徒や学校そのものは何ら悪いことはしておらず、それなのに電凸されるわ幼稚園だ言われるわの「学校、他の生徒」も被害者といえます。
ということで、具体的にこれこれこんな人たち、とするのはただの侮辱ですので控えますが、中学生くらいなら「寿司ペロ的なことをしでかしそうな子」というのはクラスに一人くらいは、クラスのみんなが素行が良くても、学年まで広げれば怪しい人が一人くらいはいると思います。
私は情報モラル講師ですが、寿司ペロ的なことへの啓蒙は、寿司ペロ的なことをしでかす「本人」でなく、寿司ペロ的な人と「つるんでる人たち」をターゲットにするのがいいのではと思っています。
啓蒙は「ハナからそんなことしない層(ここが大半)」にしても無意味であり、また、「言っても右から左に抜けていきそうな層(テレビでおでツンを見て、知っていたはずなのに寿司ペロをしてしまった寿司ペロ、はま寿司、神座などの当事者は残念ながらたぶんここです)」も厳しいのではないかと思います。
迷惑行為に単独犯は「ほぼ」いない
ですが「そういうことをしそうな人とつるまない」という啓蒙は、長い目で見れば「そういうことをしそうな人」を減らせるのではないかと思います。というのも、寿司ペロもガリ直食いもどうとんぼり神座も「撮影者らしき存在」がいました。
単独犯ではないのです。「仲間内のノリではっちゃけちゃっての悪ノリ」なわけです。
※ちょっとうろ覚えで自信ないですがおでツン・豊嶋さんはたしか単独犯(自撮り)だったはずです。やっぱり別格だ。
仲間内でついついはしゃいでついウケを狙おうとするがあまりタガが外れてしまったわけです。
下図は令和二年の犯罪白書における少年院入所者が、それまで、「不良仲間と接点があったか」のグラフです。男子、女子を比較すると、男子のこの「群れっぷり」。女子は群れるとか言われがちですが失礼しちゃいます。男子の方がよっぽど群れてますね。
そして「悪いことは一人でできない」ということも示唆しておりなかなか興味深いグラフです。
「ふざけたり悪いことは一人でしづらい」。だからこそ「そういうことをしそうな人」とつるまないことで、流されてこういった迷惑行為に望まず加担することを避け、そしてそれはしいてまわりまわれば「そういうことをしそうな人」の周りの人が離れることで、そういうことをしそうな人本人も、「アレ?」となるのを期待したいところです。
後先考えない人と外食産業を守るための施策②事例から学ぶ
「ヤバそうなやつとつるまない」対策をあげましたが、それ以外には「迷惑行為の炎上事例の詳細を学んでいくこと」もあるかなと思います。
今の世代の人たちは双方向っ子なので、作文を書かせるとかワークをさせるとか、当事者意識を持たせるタイプの方がいいかと思います。「どうすれば寿司ペロは、寿司ペロせずに済んだのか?」というテーマで書かせてみても面白いかもしれません。
題材としてふさわしい、迷惑行為についていい観点でとりあげた記事を下で紹介しています。
2023年は「回転寿司店での迷惑行為」があまりに多すぎたため”お寿司系”は以下別記事にまとめました。
蒸し返される炎上~つまようじ男の場合~
焼肉店で使ったつまようじを戻すつまようじ男現る。いい年した大人です。
しかしつまようじ男の報道は驚くほど少なかった。発射元となった滝沢ガレソ氏のTwitterで加害者側のややきな臭い話(真偽不明)が語られたことで一気にシーンとなり、暴力って最高の権力なんだなと悲しくななった(しつこいけど真偽は不明)。お寿司系高校生はつまようじ男と違って安心して叩ける、反撃を恐れずに済む安全地帯から叩いてるのであり、これっていじめ同じじゃんとまた悲しくなった。
◆後日追記。つまようじ男しっかり逮捕されてました。
◆つまようじ男の父親が「店が宣伝でやった」と火にガソリンを注ぐ形に。炎上の際身内はお口にチャックが鉄則だ
そして上野記事を見ると、最初につまようじ男がこの迷惑行為をインスタストーリーズであげ、プチ炎上しその時謝罪にいってそのときは手打ちみたいになったものの、ストーリーズの動画が保存されており、それが2023年2月にはじまった「多発お寿司テロ」で、このつまようじ男の動画も誰かが再度滝沢ガレソ氏にタレこんだ、という流れだったようです。一度やった迷惑行為は蒸し返される……。
迷惑行為のレジェンド おでんツンツン男
◆“おでんツンツン男”(33)が振り返る、逮捕されるまでの数日間「『お前今から殺しに行くからそこで待ってろ』と毎日殺害予告が…」豊嶋悠輔さんインタビュー#1
とてもいいインタビューなんだけど民事で賠償請求されたかが知りたかった。
高学歴なら迷惑行為をしない?女子なら迷惑行為をしない?
◆高学歴・神戸大学生もやらかしている
2013年とちょっと古いですがUSJの迷惑行為で威力業務妨害で訴えられた神戸大学生。再三USJ側から注意されていてもふざけた態度をとり続けるなど、今回紹介した中では一番悪質な印象です。さすがに大学生はやらなかさないだろ&高学歴はやらかさないだろを裏切る好例。ただ「食べ物を粗末にしてる」ではない点が「お寿司系」との違いか。目くそ鼻くそ。
◆大学生のやらかしまとめ記事、2013年なので、SNSがまだ「みんなのもの」というより「仲間内のもの」だった頃とも言え、そんな内輪感がこうなったのかも。令和の今、さすがに大学生はもっと慎重か。ただ高校生は寿司舐めたりガリ直食いするけど。
◆女子も迷惑行為をする
こういう迷惑行為をするのは男子が目立ちますが、女子もいます。親御さん、娘だから大丈夫とは限らないですよ。
その他炎上系事例記事
◆「死ぬまで許して」店つぶした“バカッター”らのその後
https://news.line.me/detail/oa-shujoprime/7bdd2e5349c
ITジャーナリストの渋井哲也氏「新しいメディアが中高生にはやるタイミングで迷惑行為が起きる。ツイッターからインスタグラムへ」 と鋭い指摘。今はまさにTikTokが舞台だ。
◆ 炎上や身バレ…たった一回のSNS投稿で人生激変!当事者たちの後悔&対策は
https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p4510
高校時代の飲酒画像であわや推薦を取り消されそうになった人が、上で私が挙げた「つるまない」戦法を薦めています。最強の防御法「つるまん法」が立証された…。
◆《都立町田総合高校》挑発する生徒・暴行する教諭、事件の真相
一件教師が生徒を殴る動画。しかし、それ以前に動画にすること前提で生徒側が教師をあえてたきつけた事例。「ディープフェイク」ってなにもAIとか使わずともスマホ一台で編集できるよな、と思わされた一件。悪意ある編集された情報を見させられていないか。
ちょっと脱線 キーワードは「禁けしからん」
今回のこの寿司ペロなど迷惑行為について、大人が子供に説明する際に使ってはいけないキーワードは繰り返しになりますが「けしからん」だと思います。
加害者をかばうつもりはないですけど、「けしからん」だと、モラルになっちゃうんですよね。情報モラル講師という仕事を私もしてますけど、正直この「モラル」ってあまり力のない言葉のように思います。
もちろん大多数の人が寿司屋の醤油さしををなめたり鼻の穴につっこむのはモラル上アウトと思っているはずですし、寿司ペロたちもそんなことわかっていたと思います。わかっていたからこそ「モラルを破ること」に「面白さ」を見出したのでしょう。このように、モラルは、モラルが一番効いてほしい層が、一番それを聞いちゃあいない、という大問題があります。
あと、「けしからん」だとそれで終わっちゃうのもよくないなと思います。「けしからん」ことをなぜ若者たちはこうもやってしまうのか、こそ問うべき問題でしょう。
さてそんなわけで「非けしからん(非モラル)」のアプローチですが、個人的には「法律」からのアプローチがいいのではないかと思います。寿司ペロは法律上、以下に該当する可能性があります。
・刑法(犯罪とその罰を定めた法律)における器物破損罪(懲役3年以下、または30万円以下の罰金)、偽計業務妨害罪(3年以下、50万円以下の罰金)に問われる可能性」
・民法(人や企業などの間のもめごとを解決する法律)において、スシローから損害賠償を請求される可能性がある。過去は数百万の賠償金が請求されたケースも。
しかし法律も弱点があり、聞いた側が「法律=漢字多い=難しい=脳内でシャットダウン、営業終了」で頭に入らない可能性も懸念されます。
なので「法律以外の実害」の方が、手触りというか、リアリティがあるかもしれません。
・ネット特定犯による氏名の特定(ネット民は未成年のやらかしが大好きだよ!)、そこから親の職場もバレる
・自宅&学校&親の職場に全国から電話が殺到する。
・氏名が拡散、10年たっても名前で調べると「〇〇〇〇(寿司ペロ)の現在は?結婚している?彼女は?親は?」みたいなサイトがゴロゴロ出てくる
・義務教育でない高校なら退学させられる可能性大、別の学校に入ろうとしても断られるケースがある(寿司ペロ少年は高校を自主退学したそうです。)
・おでんツンツン男はいまだに家の前を通る子どもに「おでんツンツンー!」とはやし立てられることがある(※下記インタビューより)」
こっちのほうがイメージしやすいかもしれません。個人的に豊嶋さんがいまだに通りすがりの子どもに「おでんツンツンー!」とはやし立てられるのは私が豊嶋さんなら泣いちゃいます。すさまじい社会的制裁です。
【賛否両論ありそう】後先考えない人と外食産業を守るための施策③悪事をすることと、悪事を撮影することの違いを踏まえる
「つるまない」「事例から学ぶ」に続いて三点目のこういった惨状を防ぐポイントとして、これは賛否両論あるでしょうけど「悪事をすること」と「悪事を撮影すること」の違いを踏まえさせる、ではないかと思います。
当然お店の共有物を舐める、なんてやっちゃダメですし、私はスシロー大好きだったのに、寿司ペロを見てちょっと回転ずし無理…、と今だになってるので、寿司ペロのことを許せません。しかしこれで「悪事をしてはいけない」まで拡大にするのは若干窮屈かなあとも思うのです。
大人の人たちは自分の胸に語り掛けてみてください。今なら信じられないことを若かりし頃しでかしていなかったでしょうか。「若かりし頃スマホがなくてよかったぁあ」と思った、と胸をなでおろすことがあったはずです。「そんなことまったく自分はしていない!」という人がいたら、自分の都合の悪いことはさっぱり忘れているか、もしくはなんかヤバい人だと思います。
以下は早稲田メンタルクリニック益田裕介氏の解説動画ですが、思春期のやらかし、罪悪感が人を大人にしていくと解説した動画です。
中二期があるから人は大人になる。あとから思い出して「あああああ~!!!!」と恥ずか死にたくなるようなことを、しかもそれを積み重ねて人はようやく大人になる。恥ずかしさや罪悪感という通り賃を渡して人は大人になっていく…
ということで、「悪いことをする」と「悪いことを撮影する」の間には大きな違いがある、という点を知る、というのも一つの示唆かもしれません
※ただこれ、内容としては非常に大人っぽい内容であり、都合よく曲解される(悪事の正当化)可能性があり、上級者向けではあります。私も大勢に対する講演なら誤解を恐れてこの項目はやらないかも。
後先考えない人と外食産業を守るための施策④鍵垢なんて存在しない
「つるまない」「事例から学ぶ」「【賛否両論あり】悪事と、悪事を撮影するの違いを知る」をあげましたが、四点目として「鍵垢(非公開アカウント)なんて存在しない」でしょう。
迷惑系動画、画像の出だしは「仲間内のおふざけ」であることが多いです。グループラインやSNSの鍵垢など、そもそも全世界を対象にされた動画ではなく、「いつメン」たちの、内輪の、ちょっとしたおふざけだったケースが多いのです。
そしてその「いつメン」の誰かに裏切られ、公開アカウントに投稿されてしまうわけです。フォロワーの中の誰かが裏切れば、その瞬間に鍵垢なんて消滅します。
ネット上に秘密なんて存在しません。上の方の参考リンクでも紹介しました小木曽健氏は「ネットでの発言は自宅の玄関のドアに貼っておけることだけ」と話しています。「カレーうまい!」なら玄関のドアに貼っておけますが「寿司ペロ」は貼れませんね。
寿司ペロだとさすがにやる人が少なすぎると思いますが、以下は中高生で該当する人も出てきかねない内容じゃないでしょうか(特に一番上)。全部、玄関に貼れないですよね。
・悪口、愚痴
・つきあった彼氏彼女がベロチューしてるなど、「ほのぼのカップル」を逸脱した性的なもの
・飲酒、喫煙画像
・電車にキモイおじさんいた!(写真付き)などの他人への冒涜
まあ悪口や愚痴は大人でもSNSで書いてる人いっぱいいますけど。
もちろんこれも「悪口や愚痴を一切言ってはいけない」ではなく(私は悪口大好きなので、他人にはそんなこととても恥ずかしくて言えません)「悪口や愚痴を口で友達に言うこと」と「それをネット上に公開すること」の間の違いを理解して欲しい、ということが主題です。
補足 この事例で個人的に一番怖いなと思ったこと
個人的にこの事例で一番怖いなと思ったのが、「後先考えない人が世の中には結構いる」ではなく、「寿司ペロのあの映像を撮影していたのは寿司ペロの父親」というガセ情報が広がり、それを信じてる人、またそれを発言している人が結構いることです。
父親は取材で撮影を否定しています。
SNSで「父親が撮影しただなんて信じられない…」みたいに言ってる人が結構いて(いわゆる著名人枠の人ですらいる)、こういう人たちは「いやそれ上の記事で取材で父親自身が否定してますよ」と言ったところで「あーそうなんだー」でたぶん終わって、「自分が悪いことした意識」がないんじゃないかなっていうメディアリテラシーのなさが一番恐いですよ。
寿司ペロの父親に対して、これ結構ひどいことしてませんか。モラル的にひどい、以上に、これ名誉棄損で法的にアウトなのでは。しかしおそらくこういうデマを拡散した人は「寿司ペロするような息子の父親なんだし」なのでしょう。怖い。ここが一番怖い。
「お店の共用の醤油さしをなめる動画を投稿する人」なんて、失うものが大きすぎてかなりの少数派でしょうけど、「SNSで情報をたいした確認もせず広める人」は無茶苦茶多い。こっちの方が怖い。数の暴力。ソースない情報信じちゃダメ。
こういう人が熊本地震の直後にライオンが道を歩いてるデマ画像を投稿した人の画像をまんまと信じて「外に出ちゃダメ!」拡散しちゃうんですね。そしてそれに「騙す方が悪いんだし」と反省がなくけろっとしてるところも怖い。もちろん騙す人が悪いですけど、拡散者が無罪とも思わない。
◎講演全国まいります。けしからん、で終わらせない、全員に当事者意識を持ってもらえるよう、事前アンケートを開催するなど、豊富な公園経験を活かし、響く講演実施しております!詳しくはこちらからどうぞ