依存した家族をなんとかする前に、あなた自身が疲弊しないで欲しい
家族がネット依存、スマホ依存、ゲーム依存になり、人が変わったようになる。とても苦しくつらい状況ですが、残念ながら「人の生活習慣を変える」というのは、とんでもなく難しいことです。これが簡単にできれば世の中の親も家族も教育関係者も、精神医療関係者も苦労しません。
そのため、まずお伝えしたいのが、「あなた(依存の家族が心配な人)が疲弊しない」ことだと思います。
疲弊しないため①自分の時間を増やす
疲弊しないためにまず「自分自身の楽しみ、喜びにかかわる時間を増やす」はあるかと思います。楽しんだり喜んだりしてられない、という状況だと思いますが、だからこそ、あえて、ふんばってその時間を一日5分でも増やして欲しいです。
何よりこのケースで心配なのが「共依存」状態です。ネットににどっぷり依存している本人の脳内円グラフが「ネット」「スマホ」「ゲーム」100%であるように、依存している家族が心配で心配でたまらない人の脳内円グラフは「依存してる家族が心配」100%になりがちです。
これは「共依存」と呼ばれる状態で、こうなると本人も家族もお互いしんどさが増していってしまいますし、事態の鎮静化、緩和が、逆に難しくなっていきます。他の楽しみを見出すのが難しい時期かもしれませんが、「脳内円グラフ」に意識して「別の要素」を足していきましょう。5分はまずは好きなYouTubeを見る、とか、ほっとできる時間を増やしていってほしいです。
参考サイト:共依存について
疲弊しないため②相談先につながる
疲弊しないために、相談先につながることも大切です。家族の問題だから、個人的な問題だからと思わず、相談窓口につながって欲しいです。依存は困っている家族がすでにたくさんいる社会問題でもあるからです。
相談先として医療機関(ネット依存外来も都心部などで増えつつありますが、まだ多くはありません)もありますが、まず無料でできる相談できる場所として以下を紹介します。
【公】精神保健福祉センター
行政の精神医療の窓口です。
全国の精神保健福祉センター案内サイト
【民間】自助会
自助会とは依存の当事者や家族が話し合う場所です。 ネット依存、ゲーム依存、スマホ依存は依存の中では「新しい依存」ですが、以前からある依存(ギャンブル、アルコール依存)は自助会が多いです。多くは無料で運営されています。コロナにより、オンライン対応しているところもあります。
特定非営利活動法人 ASK ホームページ内、自助グループ一覧 (ページ中間部に「ゲーム」のコーナーがあります)
相談する人に、心にとめておいて欲しいこと①「あきらめない」
よし、相談するぞ、となっても、残念ながら相談窓口や医療機関も含め「相性」もあります。回答に「うーん??」と思っても全てをあきらめず、別の窓口に行くなど、あきらめないで欲しいです。
私自身中学生のころ乱暴な同級生に悩み、某通信教育会社が会員向けに行っていた悩み相談窓口に相談したことがあるのですが、「その子はあなたの事が好きなのかもよ」とトンチンカンな回答をもらい本当に失望したことがあります(手紙タイプの相談でした。時代ですね)。
私だって気があっていじめてくる人と、完全に人を下に見て馬鹿にしてくる奴の区別くらいつく、分かったようなことを言いやがってと腹が立ち、誰かに相談するだけ無駄だと思いました。
この中学生の私はクソ相談員に当たり気の毒だったのですが(それでもプロかよと今でも思います)、でも、一回だめだからといって「誰かに相談すること」の可能性をすべてをあきらめるのはもったいないことでした。
この時の正しい対応は、同じ窓口、もしくは別の窓口に「相談したところ○○という対応をもらったが、私だってその区別くらいつく、別の意見が欲しい」でしょう。がっかりしたことも含め伝えれば、相談を受ける側も相談内容をより察することができると思います。
辛いときに、勇気を持って相談したのに、がっかりするような応答をされると本当に傷つくのはこの経験からとてもよくわかります。なのですが、あきらめないで欲しいです。
またそして、残念ながらこういう全然見当違いなことを言われる可能性があるからこそ、まだ元気なうちに相談窓口につながって欲しいです。
困って心が弱り切って、「最後の頼み」まで思いつめる前に相談して欲しいです。そこでトンチンカンな回答をもらったら、「もう何をするのも無駄だ」と立ち直れなくなってしまうのではないかと心配です。「外れだな、この件を再度聞いたり、他をあたろう」と思えるかは、そのときの心に残されているエネルギーがモノを言う領域だと思うからです。
そして、繰り返しになりますが、相談をしてがっかりした回答しかなかった場合は、それを次回の相談で伝えることがとても大切です。もうこんな回答をもらわないぞ、と意思表示しましょう。この回答をもらったのだがそうではないのだ、と相談した方が、次にそれを受け取る相談員にも何より状況が良く伝わります。
相談する人に、心にとめておいてほしいもの②「行政は縦割り」
行政が用意している窓口の場合、行政は縦割りなので、行政が用意している相談窓口も縦割りであることが多いです。これに対し「たらいまわしだ」「ワンストップな対応を」と批判的な声も強いですが、これは現実がそうである以上、どの窓口はどこまでできて(どこからができないのか)がある、ということを事前に利用者側も知っておいた方が、ストレスをためずに済むと思います。
現在の日本の行政システムに不満を言ったところで、残念ながらそれはお気持ちの表明で終わってしまいます。今できる、変えられる可能性のあることに集中しましょう。
(まとめ)なるほどで終わらせないでもらえると嬉しい
これは今回の家族の依存に困っている人に限らず、すべてで言えることですが、ネットでもYOUTUBEでもさまざまな情報が発信されています。ためになる、勉強になる、なるほどなと思う情報もたくさんあります。
今回私の記事でそういったことがあればうれしいですが、一方で「ためになった」「勉強になった」「なるほど」という感情はなかなか曲者です。
ためになった、と脳みそが思ってるだけだけでなく、ぜひ今困っており、相談先に相談したことが無い方は紹介した相談先につながって欲しいです。
ためになった、勉強になった、なるほど、で終わると、また翌日、べつのためになった、を調べ見て、それが右から左に流れ、そしてまた翌日…の「ためになった地獄」に陥る可能性があります。
芸能スキャンダルなどしょうもない内容は、内容がしょうもないだけに、「こんなものをいつまでも見てはいけない」という理性が働きますが、ためになる系、はためになる、が大義名分になりやすく、延々と「お勉強」が続く……、ということにもなりかねません。
ここの上に書かれていることで、へえ、やってみよう、と思うものがもしあったら明日でなく、今やってみてもらえると嬉しいです。