木村花さん訃報によせて②花さんに誹謗中傷を送った人の「言い分」とは?

前回の続編。(リンク先に前回のリンクもついてます)

本文より「誹謗中傷された経験を持つ漫画家の井上純一氏はツイッターで「100%誹謗中傷してる方がおかしいんですが、それでもずいぶん傷つきました」と発信」

本田圭佑さんは誹謗中傷したいなら俺んとこ来いや!的なことを言っていて、こう言った本田さんも立派だと思うけど、自分への誹謗中傷に対し完全に「どこ吹く風」ができる強靭なメンタルの持ち主ってほとんどいないと思う。

多かれ少なかれ傷つく。上の井上さんのつぶやきは、すごく率直な感情だと思う。仮に傷つかないとしても、不快にはなるだろうし。

だから誹謗中傷って達成感を得やすい行為だと思う。小学生程度の語彙力があれば、ターゲットを傷つけたり不快にさせることがほぼできちゃうんだから。誹謗中傷にはまる人はこの「ローリスクハイリターン」の虜なんだと思う。人生のほかのことの前進してんだかなんだかわからない難しさに比べて、圧倒的に単純で簡単に達成感を得やすいんだもん。誹謗中傷って。たぶん書き込んでた人は「やりがい」すら感じていたと思う。

ネット依存も、「自堕落だからネット依存になる」というより、案外人とつながりたいとか、思いを発信したいとか、達成感を得たいとか、目的自体は純粋で前向き、けなげなものなのに、「その目的をネットの世界だけで解消」という手段のチョイスがまずいんであって。

誹謗中傷する人も「正しさを追求する」という、目的そのものは別に悪いことじゃないんだけど(でも疲れそうだけど)、それが自分を律し自分の正しさを追求する方面に行かず、別に自分が被害を被ったわけでない芸能人の番組内の言動をいつまでもねちねちと執拗に人格否定する、という手段のチョイスが狂ってる。

クローズアップ現代では、花さんに誹謗中傷を送った側の「言い分」についても取材されていました。

上の記事では二年間「(お前は)淫売」「旦那は強姦魔」「娘も淫売」と見るに堪えない誹謗中傷を2年も受けた人の苦闘の日々についてもありました。

訴訟して相手が欠席で勝ったとしても、民事ならばっくれられれば賠償金もらえない。そこで刑事罰にしようとすると、誹謗中傷はまだまだハードルが高い(たぶん刑事罰は「殺す」とか「爆破する」レベルじゃないとダメなんだろうと)。やったもん勝ちになってて、明らかに法律が現代の社会に追いついてない。

Twitter社もアカウントの削除要求に応じず訴訟に踏み切ったとあり、司法の世界は拙速を避けたい気持ちはあるだろうけど、一民間企業がこの対応ってどうなの?

最後に長与千種さんのこの言葉。震えるような名文。