心がすでに死んでいる人も思わず落涙する二編の詩

2ちゃんというインターネットのスラム街で育ったため性格はもうすでに本体より先に死んでいるものの、そんなゾンビにも五分の魂。

数回読んだものの、いまだにふとした折に読みたくなり読むと泣いてしまう詩二編です。

①これは詩というより語り掛け。『父は忘れる』

②『祝婚歌』

二つとも「また読みたくなったもののタイトル忘れて一生懸命探した」って人が多い。

これは忘れてはいけない、折を見て触れて読み返さないと読んでおかないとまずい文章だ、と思わせるって意味でもすごい名文だと思う。

①は子育て、②はタイトル通り結婚がテーマなんだけど、子どもがいなくても結婚してなくても分かる内容というのがまた名文。名文って境遇などの境界を超える普遍的なものなんだなあ。みつを。

二つの文ともに、こういう風に生きられたら気持ちいいだろう、だけどなかなか難しい、そんな理想が詰まってる。

「優しさ」というほぼ百発百中で陳腐地獄に陥る超難題テーマを、超絶技巧でパワフルに伝えていると思う。この二つの文章、一見ほっこり、ほのぼの……の皮をかぶっているように見えて、だまされちゃいけない。とんでもないやり手ですよ。