酒や食べ物、入浴剤などの「消え物」じゃないモノが増えるのがほんとにイヤで、1万円あれば買えるソーダサーバーの購入すら4年ためらっているというのに、一過性ではまった趣味(残念ながら三か月ももたない)のものは結構ためらいなく買ってしまう。

アレですよ。
「買っただけなのに、なぜかできた気になってる気分を堪能したい欲」ですよ。
使ってないダイエットグッズや健康、美容器具が全くない人の方がたぶん少ないのではないでしょうか。

春は新しいことを始めたくなる季節。
こうして今日も、世界のそこかしこで三日坊主さんたちが新たにグッズを買いそろえたり、習い事に申し込んだりしてると思うと背骨がきしむほど抱きしめてやりたい。

この「始めるにあたってまずは形から」状態に入った人はいわばゾーンに入った状態です。
よって、
「冷静になれ。どうせ三か月持たない。やるなとは言わないから、まずはいかに金をかけずにスロースタートできるか工夫してみてはどうか。大体、その工夫こそが、その今からやろうとしていることへの習得において、絶対プラスになるのだから」という正論は通用しません。

このゾーンに入った状態の人の「買いたい、いや、買わなければならない」欲を抑えるのは限りなく困難を極めます。
この買いたいのに買えないときに脳が受けるストレスは覚せい剤中毒者が覚せい剤を抜くときに脳にかかる負担と同等程度であるとマサチューセッツ工科大学の研究で明らかになりましたと言われたら信じると思う。

優しく真面目な公務員の彼氏からのプロポーズを受けたあと、年下の生意気だけれど音楽にはまっすぐなバンドマンから「結婚なんてすんなよ」と言われたようなものです。
正論が正しいのは分かっているけれど、人は正しさだけでは動けないときがあるよね、っていうときって、たいてい正しさサイドを過小評価しているよね。
分かっちゃいないんです。

結局正しさが勝つ。
そして三か月後、不良債権化したこれらのグッズを、そっと「なかったこと」にしていく一連の様式美。

しかし中年にもなると自分が飽きっぽいことはさすがに分かってきますから、前よりはスロースタートができるようにはなりました。
この間あるセミナーを申し込もうと思ったときに、まずは関連書籍を読んでからでいいのではないか?とストップできた自分は最高に輝いていたね。

それでも過去の負の遺産はぽつぽつ家に残っているので、中古屋に売ったりしています。
メルカリも初めて利用した。
リアルフリマを過去に何回が出店し、フリマのやりとりが本当に苦痛なのは体験から知ってるんですが、あえてやる。
よりよりスロースターターになるために、あえて苦労して手放す経験をし、これでもかこれでもか、ひいい、堪忍してくだせえと身に沁みさせるのが狙いです。