将来ボケて、自分自身がおぼつかなくなっていったり、他人に迷惑をかけることになるのが怖い。
親がボケたらと思うと怖い。
怖いので読んでみた「痴呆老人は何を見ているか」。

読んだことで「あー、安心!」となるタイプの本ではありません。
だいたい古今東西から多くの人を悩ませてきたこの問いはおそらく今後医学が進歩しても劇的に解決などしないでしょう。
でも、すごい本だった。骨太な本でした。読んでよかった。

いい意味で予想を裏切られました。
0と1の間に横たわっているもの。
デジタルや論理では説明のできないことについてふれた思想の本です。
著者が欧米的価値観にかなり懐疑的なところがあり、欧米のお年寄りはそんなに悲しいことになっているのかというのは疑問でしたが。

聞き流すことの大切さ、は言葉としてはずっと前から知っていましたがこの本でようやく骨身にしみました。
私は聞き流すのが圧倒的に苦手なほうで、聞き流せない自分を誠実だからとすら思っていましたが聞き流すのも等しく愛の形なのだとこの本は教えてくれました。
なにもボケた人相手に限らず、今からでも使えるコミュニケーションの妙味を教えてくれる一冊です。